西本智実 with ミッシャ・マイスキー ラトビア国立交響楽団
ワーグナー:
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調
(アンコール)
チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』より「レンスキーのアリア」
――休憩20分――
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
(アンコール)
チャイコフスキー:『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
指揮:西本智実
チェロ:ミッシャ・マイスキー
管弦楽:ラトビア国立交響楽団
2010年12月8日(水)19:00〜
愛知県芸術劇場コンサートホール
聴いてきました。観てきました。
それにしても女子率の高かったこと!
普段出かける演奏会とは視覚的に客層がかなり異なり面くらいました。
やはり西本智実さんのファンは女性に多いのか・・・そんな気がしました。
まあ、人のことを言える立場ではなく、わたしもオペラグラス持参でしたわよ。。おほほ。。
その西本さん、凛々しい中にも華がある…とでも言いましょうか。
立ち姿、歩く姿、指揮姿、どれをとっても美しく、
頭の先から天に向かってぴんと糸が張られたように背筋が伸び、腰の位置が変わらないあの歩き方は真似したいと思いました。
そして、演奏なのですが……。
非常に丁寧に、正しく、きっちりとやっているけれども、
今ひとつ不全感が残るという印象でした。
何なのでしょう。
聴いた席が悪かったのか(3階正面中央、名フィルの座席カテゴリーではA席に当たる席)、
弦の音に厚みがなくて、金管が突出して、どうも、こう、すわりの悪い音というか何と言うか…。
最初のヴァーグナーで
「???」
だったのですが、これはショスタコーヴィチまで変わりませんでした。
ドヴォルザークはマイスキーの独壇場だったので、弦の薄さはさほど気になりませんでしたが(というと嘘になりますが)、
西本さんとマイスキーの息は合っていたけれども、オーケストラにちょっと気合が足らなかったような。。。
そんな感じでした。
そして、第1楽章が終わったところで、フライングというにはあまりにも盛大な拍手。。。。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲を初めて聴く人が多かったのでしょうか。
でも、演奏中は皆さん実に静かに真面目に聴いていらっしゃって、
いろいろな演奏会で目にする、演奏中にプログラムやチラシを読んでいる人は
見渡す限りいらっしゃらない様子でした。
マイスキーさんは、休憩中と終演後にCD購入者に向けてサイン会を行っていらっしゃいました。
パンフレットを持って何気に並ぼうとしたら、いかにもプロという感じのオーラをまとった係りの人に爽やかに、しかし、決然と阻止されました。
ちっ!
でも、いいんだもん、マイスキーさんには以前、すごいものにサイン貰ったからいいんだもん(この話はまたアメブロの方に書きます)。
で、ショスタコーヴィチ先生の交響曲第5番なんですが…。
最初に書いたように、やはり弦の厚みがないので、オーケストラが歌わないのです。
弦楽器の編成がやや小さめ(特にチェロの音が薄かったのは8人だったから?)だったので、厚みを出すのがなかなか難しかったのかもしれません。
丁寧に…というより、ちょっとおっかなびっくり弾いているというのが伝わってきてしまい、
こう、足元からぐわ〜っと湧いてきて、ぞわぞわ〜っとやって来る迫力がなかったんです
でも、その代わりと言ってはなんですが、一種独特の初々しさというかすがすがしさを覚えました。
第4楽章の最初のあたりでは
「あ、来るかも・・・・」
と思ったのですが、丁寧な演奏に戻ってしまいました。
過剰に期待していた…というのもあるのかもしれません(これは自分への反省)。
う〜ん。。。
女子率が高かったのですが、ショスタコーヴィチで、ものすごくよく通る声でフライング・ブラヴォーをしたのは男性でした。
叫び慣れている感があったので、いろいろな演奏会で叫んでいるんだろうなぁ…。
ああいう人は一体何しに、どういうつもりで演奏会に来るんだろうか。
音楽をきちんと聴いて、感動したなら、しばし、身動きが取れなくなるのでは?
言葉を失うのでは?
あくまでも自己主張(何に対してなのかはわかんないけど)としての、
フライング拍手でありフライング・ブラヴォーなんだろうな。
だから、おそらく「ブラヴォー」と叫ぶ瞬間にすべてを捧げているんだろうな。
本当に迷惑な話だ。
アンコールのチャイコフスキーは非常にのびのびとして華やぎのある演奏を聴くことができました。
文句なく素晴らしかったです。
ドヴォルザークでの「思わず拍手」(この拍手は上記の「フライング・ブラヴォー」とは性質を異にすると思う)はありましたが、聴きにきていたほとんどの人が、
「本当に聴きたい!」
と思って演奏に集中しているだという雰囲気が溢れていて、それはなかなか素敵な体験だったと思います。
それからツアー・プログラム(2000円でした)に非常に読み応えのある文章を書いていらっしゃったのは林田直樹さんでした。
読み返してみて、この記事をアップしていいものだろうか、ちょっとばかり悩んでいます。
あくまでも私の感想なので、もしもお読みになって気分を害された人がいらっしゃいましたら、どうかお許しください。
でもね、西本智実さんがまた名古屋にいらっしゃることがあったら
たぶんね、出かけるんだと思う。。。
今度は双眼鏡を持って。
おしまい。
ワーグナー:
楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より第1幕への前奏曲
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調
(アンコール)
チャイコフスキー:『エフゲニー・オネーギン』より「レンスキーのアリア」
――休憩20分――
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
(アンコール)
チャイコフスキー:『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
指揮:西本智実
チェロ:ミッシャ・マイスキー
管弦楽:ラトビア国立交響楽団
2010年12月8日(水)19:00〜
愛知県芸術劇場コンサートホール
聴いてきました。観てきました。
それにしても女子率の高かったこと!
普段出かける演奏会とは視覚的に客層がかなり異なり面くらいました。
やはり西本智実さんのファンは女性に多いのか・・・そんな気がしました。
まあ、人のことを言える立場ではなく、わたしもオペラグラス持参でしたわよ。。おほほ。。
その西本さん、凛々しい中にも華がある…とでも言いましょうか。
立ち姿、歩く姿、指揮姿、どれをとっても美しく、
頭の先から天に向かってぴんと糸が張られたように背筋が伸び、腰の位置が変わらないあの歩き方は真似したいと思いました。
そして、演奏なのですが……。
非常に丁寧に、正しく、きっちりとやっているけれども、
今ひとつ不全感が残るという印象でした。
何なのでしょう。
聴いた席が悪かったのか(3階正面中央、名フィルの座席カテゴリーではA席に当たる席)、
弦の音に厚みがなくて、金管が突出して、どうも、こう、すわりの悪い音というか何と言うか…。
最初のヴァーグナーで
「???」
だったのですが、これはショスタコーヴィチまで変わりませんでした。
ドヴォルザークはマイスキーの独壇場だったので、弦の薄さはさほど気になりませんでしたが(というと嘘になりますが)、
西本さんとマイスキーの息は合っていたけれども、オーケストラにちょっと気合が足らなかったような。。。
そんな感じでした。
そして、第1楽章が終わったところで、フライングというにはあまりにも盛大な拍手。。。。
ドヴォルザークのチェロ協奏曲を初めて聴く人が多かったのでしょうか。
でも、演奏中は皆さん実に静かに真面目に聴いていらっしゃって、
いろいろな演奏会で目にする、演奏中にプログラムやチラシを読んでいる人は
見渡す限りいらっしゃらない様子でした。
マイスキーさんは、休憩中と終演後にCD購入者に向けてサイン会を行っていらっしゃいました。
パンフレットを持って何気に並ぼうとしたら、いかにもプロという感じのオーラをまとった係りの人に爽やかに、しかし、決然と阻止されました。
ちっ!
でも、いいんだもん、マイスキーさんには以前、すごいものにサイン貰ったからいいんだもん(この話はまたアメブロの方に書きます)。
で、ショスタコーヴィチ先生の交響曲第5番なんですが…。
最初に書いたように、やはり弦の厚みがないので、オーケストラが歌わないのです。
弦楽器の編成がやや小さめ(特にチェロの音が薄かったのは8人だったから?)だったので、厚みを出すのがなかなか難しかったのかもしれません。
丁寧に…というより、ちょっとおっかなびっくり弾いているというのが伝わってきてしまい、
こう、足元からぐわ〜っと湧いてきて、ぞわぞわ〜っとやって来る迫力がなかったんです
でも、その代わりと言ってはなんですが、一種独特の初々しさというかすがすがしさを覚えました。
第4楽章の最初のあたりでは
「あ、来るかも・・・・」
と思ったのですが、丁寧な演奏に戻ってしまいました。
過剰に期待していた…というのもあるのかもしれません(これは自分への反省)。
う〜ん。。。
女子率が高かったのですが、ショスタコーヴィチで、ものすごくよく通る声でフライング・ブラヴォーをしたのは男性でした。
叫び慣れている感があったので、いろいろな演奏会で叫んでいるんだろうなぁ…。
ああいう人は一体何しに、どういうつもりで演奏会に来るんだろうか。
音楽をきちんと聴いて、感動したなら、しばし、身動きが取れなくなるのでは?
言葉を失うのでは?
あくまでも自己主張(何に対してなのかはわかんないけど)としての、
フライング拍手でありフライング・ブラヴォーなんだろうな。
だから、おそらく「ブラヴォー」と叫ぶ瞬間にすべてを捧げているんだろうな。
本当に迷惑な話だ。
アンコールのチャイコフスキーは非常にのびのびとして華やぎのある演奏を聴くことができました。
文句なく素晴らしかったです。
ドヴォルザークでの「思わず拍手」(この拍手は上記の「フライング・ブラヴォー」とは性質を異にすると思う)はありましたが、聴きにきていたほとんどの人が、
「本当に聴きたい!」
と思って演奏に集中しているだという雰囲気が溢れていて、それはなかなか素敵な体験だったと思います。
それからツアー・プログラム(2000円でした)に非常に読み応えのある文章を書いていらっしゃったのは林田直樹さんでした。
読み返してみて、この記事をアップしていいものだろうか、ちょっとばかり悩んでいます。
あくまでも私の感想なので、もしもお読みになって気分を害された人がいらっしゃいましたら、どうかお許しください。
でもね、西本智実さんがまた名古屋にいらっしゃることがあったら
たぶんね、出かけるんだと思う。。。
今度は双眼鏡を持って。
おしまい。